【令和8年熊本地震】社会保険料が払えない場合は?納期限の延長と納付猶予を社労士が解説

令和8年熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

地震によって事業所や設備などに被害を受け、事業の再開や資金繰りに苦慮されている事業主の方もいらっしゃると思います。

こうした被災事業所については、厚生年金保険料等の納期限延長や、一定の場合に納付を猶予する措置が設けられています。

ここで注意したいのが、

「納期限の延長」と「納付の猶予」は別の制度

だということです。

この記事では、令和8年熊本地震に伴う社会保険料の取扱いについて、公的機関が公表している情報をもとに社会保険労務士が整理します。

※本記事は2026年9月8日時点で公表されている情報に基づいています。

令和8年熊本地震で社会保険料の納期限が延長されている地域

令和8年熊本地震による被害を受け、次の地域に所在地を有する事業所等について、令和8年7月28日以降に納期限が到来する厚生年金保険料等の納期限が延長されています。

  • 八代市
  • 宇土市
  • 宇城市
  • 八代郡氷川町

これは、対象地域について社会保険料の納期限そのものを延長する措置です。

延長後の具体的な納期限については、今後の公表を確認する必要があります。

対象地域の事業所等で口座振替を利用している場合には、原則として口座振替も停止されています。

「納期限の延長」と「納付の猶予」の違い

今回の熊本地震に伴う社会保険料の特例措置で、特に注意したいポイントです。

納期限の延長は、指定された地域について、社会保険料を納める期限そのものを後ろにずらす措置です。

これに対して納付の猶予は、災害によって財産に相当な損害を受け、社会保険料を一時に納付することが困難な場合に、申請によって納付を猶予してもらう制度です。

簡単に整理すると、次のようになります。

  • 納期限の延長:納める期限そのものが延びる
  • 納付の猶予:被災により一時に納付できない場合に申請する

つまり、「熊本地震で社会保険料の期限が延びた」という話と、「被災して社会保険料を支払えない場合の猶予」は同じ制度ではありません。

指定地域以外でも社会保険料の納付猶予を受けられる場合があります

納期限延長の対象となっている4市町以外の事業所でも、納付猶予の対象となる可能性があります。

厚生労働省は、事業所が災害によって財産に相当な損害を受け、納付すべき保険料を一時に納付することができないと認められる場合には、申請によって納付の猶予を受けられる場合があると案内しています。

したがって、

「自分の事業所は八代市・宇土市・宇城市・氷川町ではないから対象外」

と直ちに判断する必要はありません。

令和8年熊本地震による被災で保険料の納付が困難になっている場合には、管轄の年金事務所へ確認することをおすすめします。

納付猶予の対象は厚生年金保険料だけではありません

厚生労働省が納付猶予の対象として案内しているのは、厚生年金保険料だけではありません。

  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料
  • 船員保険料
  • 子ども・子育て拠出金

「厚生年金だけの特例」と考えないよう注意が必要です。

被災事業所では社会保険料の口座振替を停止できる場合も

厚生年金保険料等を口座振替で納付している事業所や船舶所有者についても、被災によって保険料の納付が困難な場合には、口座振替を停止することができます。

被災によって事業資金の確保が必要になっているにもかかわらず、通常どおり口座から社会保険料が引き落とされることを避けたい場合には、早めに管轄の年金事務所へ相談してください。

令和8年熊本地震では労働保険料にも別の特例措置があります

厚生年金保険料等とは別に、労働保険料等についても令和8年熊本地震に伴う特例措置が実施されています。

八代市、宇土市、宇城市、八代郡氷川町に所在地を有する事業場の事業主や労働保険事務組合については、令和8年7月28日以降に到来する労働保険料等の申告・納期限等が延長されています。

また、指定地域以外であっても、令和8年熊本地震によって財産に相当な損失を受けた事業主は、申請により、令和8年7月28日以降に納期限が到来する労働保険料等について、原則として1年以内の納付猶予を受けられる場合があります。

社会保険料と労働保険料では、根拠となる制度や手続きが異なりますので、混同しないよう注意してください。

熊本地震で社会保険料の納付が難しい場合は早めに確認を

令和8年熊本地震に伴う社会保険料の措置は、単に「納期限が延長された」というだけではありません。

指定地域では納期限そのものが延長されている一方、災害によって財産に相当な損害を受け、社会保険料を一時に納付することが困難な場合には、申請による納付猶予を受けられる可能性があります。

被災によって事業の資金繰りが厳しくなっている場合には、「納期限が来たから何とか支払わなければならない」と判断する前に、管轄の年金事務所などへ確認してください。

令和8年熊本地震に伴う特例措置については、今後も追加・変更される可能性があります。

当サイトでは、厚生労働省、日本年金機構、熊本労働局等の公的機関から新しい情報が公表された場合、随時確認・更新します。

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参考情報

※本記事は、公的機関が公表している情報をもとに社会保険労務士が内容を確認して作成しています。個々のケースへの適用については、管轄の年金事務所、労働局等へご確認ください。


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