【令和8年熊本地震】雇用調整助成金の特例を社労士が解説|8月20日発表

令和8年熊本地震の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主を対象として、
雇用調整助成金の特例措置が実施されています。

厚生労働省は2026年8月20日、令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例措置を公表しました。
今回の特例は、熊本県内の事業所だけでなく、
熊本地震に伴う経済上の理由によって事業活動が縮小した全国の事業所
が対象となる可能性があります。

【重要】熊本県外の事業所も対象となる場合があります

今回の特例は熊本県内限定ではありません。
取引先の被災や物流の停滞など、令和8年熊本地震に伴う経済上の理由で事業活動が縮小した場合には、
熊本県外の事業所も対象となる可能性があります。

令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例とは

雇用調整助成金は、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、
従業員の雇用を維持するために休業などを実施した場合、
一定の要件のもとで休業手当などの一部を助成する制度です。

令和8年熊本地震については、通常より制度を利用しやすくするため、
複数の特例措置が設けられました。

全国の事業所に適用される主な特例

1.生産指標の確認期間を3か月から1か月に短縮

通常、売上高や生産量などの生産指標について一定期間の比較が必要ですが、
今回の特例では確認期間が短縮されています。

地震の影響が直近で急激に現れた事業所でも、
通常より早い段階で制度利用を検討しやすくなります。

2.雇用量が増加している場合の要件を緩和

通常の雇用調整助成金では、雇用量に関する要件がありますが、
今回の特例ではその一部が撤廃されています。

3.設置後1年未満の事業所も対象となる場合があります

令和8年7月28日時点で設置後1年未満の事業所についても、
特例により雇用調整助成金の対象となる場合があります。

4.計画届の事後提出が可能

通常は事前提出が必要となる計画届について、
今回の特例では事後提出が認められています。

被災直後で申請準備まで手が回らなかった事業主にとって、
実務上大きな緩和措置です。

熊本県内の事業所には追加の特例があります

熊本県内に所在する事業所については、
全国共通の特例に加えて、さらに追加措置が設けられています。

  • 残業相殺ルールの撤廃
  • 教育訓練の実施状況による助成率引下げルールの撤廃

対象となる休業等の期間

今回の特例の対象となるのは、
2026年7月28日から2027年1月27日までに開始した休業等
です。

制度の適用可否については、休業の原因や事業活動の縮小状況など、
個別の事情によって判断されます。

「休業手当」と「雇用調整助成金」は別に考える必要があります

地震によって会社を休業した場合、
労働者に休業手当を支払う必要があるかという問題と、
事業主が雇用調整助成金を利用できるかという問題は別です。

地震による休業時の休業手当については、
以下の記事で詳しく解説しています。


熊本地震で会社を休業した場合、休業手当は必要?

これまでの熊本地震関連情報

令和8年熊本地震については、当事務所でも発生直後から、
雇用・労働・社会保険に関する情報を継続して掲載しています。

地震発生直後の休業手当について

地震による休業が労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」に該当するか、
不可抗力との関係を整理しています。


熊本地震で会社を休業した場合、休業手当は必要?

厚生労働省の特例措置まとめ

地震発生後に公表された雇用保険、雇用調整助成金、医療など、
厚生労働省関係の初期の特例措置をまとめています。


令和8年熊本地震に伴う厚生労働省の特例措置まとめ

被災された方・事業主向けの総合案内

医療費の窓口負担、雇用保険、労働保険料、年金保険料など、
被災された方や事業主向けの情報をまとめています。


令和8年熊本地震で被災された皆さまへ

厚生労働省の公式情報


9月10日更新|休業日に自主的な復旧作業をした場合

厚生労働省は、令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金について、
令和8年9月10日現在の支給要領を公表しました。

今回、被災した事業所で休業日に労働者が自主的に復旧作業を行った場合の取扱いが明確化されています。

復旧作業をしたら、その日すべてが休業対象外になるとは限りません

熊本県内の被災事業所で、休業日に労働者が自主的に出勤して復旧作業を行った場合でも、
一定の要件を満たせば、実際に自主出勤していた時間以外の所定労働時間について、
雇用調整助成金の対象となる休業として取り扱われる場合があります。

主なポイントとして、事業所が被災していること、
通常業務とは明らかに異なる復旧作業であること、
出退勤時間を確認できることなどが求められます。

自主的な復旧作業そのものが「出勤」と扱われない場合も

さらに、労働者自身が復旧作業を行うかどうかや開始・終了時刻を自由に決められること、
作業の有無が人事評価等に影響しないこと、
復旧作業を業務として扱わないことについて説明し了解を得ていることなど、
一定の要件を満たす場合には、自主的な復旧作業を行った時間についても、
雇用調整助成金上の取扱いが認められる場合があります。

なお、自主的な復旧作業を行った時間についても出勤として取り扱わないためには、
休業手当として平均賃金の10割以上を支払っていることなど、
さらに詳細な要件があります。
実際に利用する場合には、熊本労働局または管轄のハローワークへ確認してください。

7月28日以降の休業にも適用

この取扱いは、令和8年7月28日以降に実施した休業について遡って適用されます。
すでに休業と復旧作業を実施している事業所も、対象となる可能性があります。


「復旧作業をしたから雇用調整助成金は使えない」と自己判断せず、
該当する可能性がある場合は確認することが重要です。

【情報更新日:2026年9月13日】
本記事は、2026年9月13日時点で厚生労働省等から公表されている情報をもとに作成しています。
制度内容は今後変更・追加される可能性がありますので、
申請や判断の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。

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