令和8年熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
熊本労働局は2026年7月30日、
「令和8年熊本地震に伴う雇用保険の基本手当の特別措置」
を公表しています。
地震によって事業所が直接被害を受け、
一時的に離職した場合には、
雇用保険の基本手当、いわゆる失業手当を受給できる特例があります。
さらに、災害時の雇用保険には、
激甚災害法第25条が適用された場合に、会社を離職せず休業している方にも基本手当を支給できる別の特例
があります。
令和8年熊本地震について現在案内されている
「一時離職」の特例と、
激甚災害法第25条による「在籍したまま休業」の特例は
別の制度です。
2026年8月27日現在、
令和8年熊本地震について
激甚災害法第25条の適用は確認できません。
1.7月30日に公表された雇用保険の特例
熊本労働局のリーフレットでは、
「事業所が本地震により直接被害を受け、一時的に離職した場合」
に、雇用保険の基本手当を受給できる特別措置があることが案内されています。
通常、雇用保険の基本手当は「失業」している方を対象とする制度ですが、
災害により事業所が休業し、一時的に離職を余儀なくされた場合には、
災害時の特例が設けられています。
2.事業再開後に元の会社へ戻る予定でも対象になり得ます
厚生労働省は、災害時における雇用保険の特例について、
災害救助法の適用を受ける市町村に所在する事業所で、
災害による休業のため一時的な離職を余儀なくされた方について、
「離職前の事業主に再雇用されることが予定されている労働者」
も対象として案内しています。
つまり、
事業が再開すれば元の勤務先に戻る予定だからという理由だけで、
直ちに基本手当の対象外になるわけではありません。
実際の受給の可否については、個別の状況によって判断されるため、
ハローワークで確認してください。
3.この特例を利用する場合には重要な注意点があります
熊本労働局は、今回の特例を利用する場合の注意点も明記しています。
この特別措置を利用して失業給付の支給を受けた方については、
その後、再び雇用保険の被保険者資格を取得しても、
今回の離職前に雇用保険の被保険者だった期間は通算されません。
将来、あらためて離職して基本手当を受給する場合などにも関係するため、
制度を利用する際には、この点も含めてハローワークで確認しておくことが重要です。
4.ハローワークへ行けない場合は認定日を変更できます
熊本地震の影響により、
指定された失業認定日にハローワークへ来所できなかった場合には、
来所可能な日に失業認定日を変更できます。
熊本労働局の案内では、
事前の申し出や、やむを得ない理由を証明する書類は不要とされています。
また、やむを得ない場合には、
応募などの求職活動実績がなくても支給される取扱いが示されています。
5.避難先など、別のハローワークでも手続きできます
地震による交通の途絶や遠隔地への避難などにより、
居住地を管轄するハローワークへ行くことができない場合には、
ほかのハローワークで基本手当の受給手続きを行うことができます。
熊本労働局は、
受給手続きに必要な確認書類が手元にない場合でも
手続きを行うことができると案内しています。
6.もう一つの制度「激甚災害法第25条」とは?
ここからは、現在の熊本地震の特例とは
別の制度について説明します。
激甚災害法第25条では、
政令で定められた地域にある事業所が災害を受けたため、
やむを得ず事業を休止または廃止し、
労働者が休業することになった場合について、
一定の要件を満たせば、
実際には会社を離職していなくても、
雇用保険上「失業しているもの」とみなして
基本手当を支給することができます。
主な要件としては、
災害を受けた事業所の休止・廃止によって休業し、
働く意思と能力があるにもかかわらず就労できず、
賃金を受けることができない状態にあることなどが定められています。
7.令和8年熊本地震には、現在のところ第25条の適用を確認できません
ここは特に注意が必要です。
令和8年熊本地震は激甚災害として指定され、
その後も適用される措置の追加指定が行われています。
しかし、
激甚災害に指定されたからといって、
激甚災害法のすべての特例が自動的に適用されるわけではありません。
雇用保険の「みなし失業」に関する特例を利用するには、
激甚災害法第25条そのものが適用される必要があります。
内閣府が2026年8月25日に公表した
令和8年熊本地震に関する3回目の追加指定見込みでは、
第3条・第4条、第5条、第6条、第16条、第17条、
第19条、第22条、第24条などの措置が示されていますが、
第25条は含まれていません。
そのため、2026年8月27日現在、
令和8年熊本地震について
「在籍したまま休業している方も失業したものとみなして基本手当を受給できる」
という第25条の特例が適用されたことは確認できません。
現在確認できる制度
事業所が熊本地震により直接被害を受け、
一時的に離職した場合の基本手当の特例。
今後、第25条が追加適用された場合
一定の要件を満たせば、
会社を辞めず在籍したまま休業している方についても、
失業したものとみなして基本手当を受給できる可能性があります。
8.今後、第25条が追加適用された場合は改めて確認が必要です
内閣府の2026年8月25日の資料には、
今後の被害状況の把握によって
適用措置や地域が追加される場合があることも記載されています。
ただし、これは
「第25条が今後適用される予定である」という意味ではありません。
今後、第25条が追加で適用された場合には、
対象となる地域、対象者、適用期間、具体的な手続きなどを
その時点の政令や厚生労働省・労働局の公表資料で
あらためて確認する必要があります。
9.制度を利用する場合はハローワークへ確認を
雇用保険の特例が実際に利用できるかどうかは、
勤務していた事業所の所在地や被害状況、
離職または休業の状態、
雇用保険の被保険者期間などによって異なります。
制度の利用を検討されている方は、
最寄りのハローワークまたは熊本労働局へご相談ください。
参考資料・公式情報
-
熊本労働局
「令和8年熊本地震に伴う雇用保険の基本手当の特別措置について」
(2026年7月30日) -
厚生労働省
「災害時における雇用保険の特例措置等について」 -
激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 第25条
「雇用保険法による求職者給付の支給に関する特例」 -
内閣府
「最近の激甚災害の指定状況について」 -
内閣府
「令和八年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令への適用措置の追加指定見込み(3回目)について」
(2026年8月25日)
※本記事は2026年8月27日現在の厚生労働省、熊本労働局、内閣府等の公表資料に基づいて作成しています。
今後、激甚災害法に基づく適用措置、対象地域、雇用保険の取扱い等が追加・変更される可能性があります。
実際の受給手続きについては、最新の公式情報をご確認のうえ、ハローワーク等へお問い合わせください。
この情報を必要とされている被災者の方がいらっしゃいましたら、
ぜひお伝えください。
一緒に頑張ろう、熊本。